人手不足が理由で倒産の増加〜最新経済ニュース〜

さまざまな業界において人手不足を訴える企業が増えている。
全国約1万社にも及ぶ企業の回答を集計した「人手不足に対する企業の動向調査(2018年4月)」(帝国データバンク、5月24日発表)によると、正社員が不足していると回答した企業は全体の49.2%を占めており、1年前(2017年4月)の同調査から5.5ポイント増という結果となった。
また、直近2018年5月の有効求人倍率(季節調整値、厚生労働省、6月30日発表)は1.60倍と、1974年1月(1.64倍)以来、44年4カ月ぶりの1.6倍台に達しており、この数値が企業の人手不足を裏付けている。
こうしたなか、帝国データバンクでは、従業員の離職や採用難等により収益が悪化したことなどによる倒産(個人事業主含む、負債1000万円以上、法的整理)を「人手不足倒産」と定義し、2013年1月の調査開始以降、2018年上半期までの5年半で発生した人手不足倒産を集計・分析した。

人手不足倒産、3年連続の前年同期比増
「人手不足倒産」件数は調査開始(2013年1月)以降、半期ベースで最多
2018年上半期(1~6月)の「人手不足倒産」は70件発生しており、その負債総額は106億7700万円となっている。
倒産件数は3年連続で前年同期を上回り、調査開始(2013年1月)以降、半期ベースで最多となり、年間合計で初めて100件を超えた2017年(106件)を上回る勢いとなった。

負債規模別に件数を見てみると、「1億円未満」が38件とその過半数を占めており、前年同期(19件)の2倍になっている。
また、業種別の件数においては、「サービス業」が前年同期比26.7%の増加で、最多の19件が倒産している。
業種細分類別の5年半累計件数では、「道路貨物運送」が29件(2018年上半期は7件、前年同期4件)で最多。
以下、「老人福祉事業」は26件、「木造建築工事」は23件、「受託開発ソフトウエア」は19件と続く結果となった。
都道府県別の5年間累計では、「東京都」が55件(うち2018年上半期は9件、前年同期5件)と突出している。
人手不足の深刻化で、小規模企業を中心に「人手不足倒産」が増加する恐れも
先にも述べたように、2018年上半期(1~6月)の「人手不足倒産」(70件)は3年連続で前年同期を上回っており、調査開始以降、半期ベースで最多を更新したことが分かった。
前年同期比の増加幅は3半期連続で4割を超えており、これは年間合計で初めて100件を超えた2017年(106件)を上回るペースとなっている。
今後も小規模企業を中心に人手不足の深刻化による、「人手不足倒産」はさらに増加する恐れがある。
倒産企業のなかには、従業員の離職が相次ぎ、事業遂行不能となったけっか、倒産に追い込まれるというケースが散見される。
従業員数の少ない小規模企業ほど従業員の定着率を高める必要性が高まっているのである。


〜筆者の感想〜
少子高齢化・人口減少が進む中、避けては通れない道ではあると思う統計報告だ。
しかも業種別の倒産社数の振り分けが「老人福祉事業」は26件、「木造建築工事」は23件、「受託開発ソフトウエア」は19件となっており、今後日本の社会において必要不可欠と思われる業種がトップ2に入っている。
特に介護業界の人手不足・離職率の高さは深刻な問題だ。

介護業界は想像以上の重労働で、30代でも後半になって来るとなかなかきつい仕事だときく。
高齢化が進み、人生100年と言われる今後の現代社会において、福祉従事者の不足は今後AIなどが普及してきたとしてもまかないきれない部分が大きいと考えられる。

最近では、保育園の入園を待つ待機児童のように、施設の人手不足から老人ホームに入所できないというニュースもよく目にする。
このようなケースが結果として招くのは「40〜50代の子供」たちが両親の介護をするために会社を退職するという事態が散見される。
社員のライフスタイルに柔軟に対応する企業も中には見受けられるが、「会社に迷惑はかけられない」「周りの同僚の視線が気になる」「そもそも会社から承認されない」などの理由で職を離れざるを得なくなるという。

人手不足がさらなる人手不足を誘発する。
このような事態を解決するには、人手不足を言い訳にしない丁寧な教育や指導、従業員の定着率を向上させる取り組みが社会全体で必要ではないだろうか。